管理費や修繕積立金は管理組合の大切な財産です。適正化法は、この財産を管理業者自身の財産と混同しないためのルールを定めています。
うぅ〜ん、管理費とか修繕積立金って、管理会社の口座にそのまま入ってるものなのぉ?
いい着眼点ね、みつきちゃん。
管理組合から預かった金銭は、管理業者自身の固有財産と分けて管理しなければならないの。
これを財産の分別管理というのよ。
つまり、管理業者が経営破綻しても、管理組合のお金が巻き込まれないようにするための仕組み、という理解で合っていますか?
その通り。
分別管理の方法にはイ・ロ・ハの3方式があって、たとえばイの方式は、管理費等をいったん収納口座に集めて、そこから管理業者の報酬などを差し引いた残りを保管口座に移し替える方法なの。
えーっ、じゃあハの方式は?
ハの方式は収納口座と保管口座を1つにまとめる方式で、管理組合の口座は1つだけになるの。
ぽわわ〜、方式によって口座の分け方が違うのぉ。
補足すると、イ・ロの方式では、原則として、区分所有者等から徴収される1か月分の修繕積立金等の合計額以上の額について保証契約を締結する必要がありますが、ハの方式では、管理業者が口座の印鑑などを保管できないため保証契約が不要なんですよね。
よく勉強しているわね、紗英。
管理業者は、保管口座や収納・保管口座の印鑑、キャッシュカードなどを保管してはならないの。
管理業者が印鑑まで持ってしまうと使い込みのリスクが高まるから、そこも重要なポイントよ。
先生、管理業者が管理者を兼ねている場合はどうなるのですか?
2026年4月施行の改正で、その場合の例外ができたわ。
ほかに印鑑などの保管を承諾する人がいないこと、口座に保管されている金額以上の額の保証契約を結んでいること、区分所有者等に説明したうえで集会の決議があることなど、決められた要件をすべて満たすときに限って、管理者である管理業者が保管できるの。
確認クイズ
マンション管理業者の財産の分別管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 管理組合から預かった管理費等は、管理業者の固有財産と一体として管理してもよい。
- 管理業者は、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑や預貯金の引出用のカードなどを、原則として保管してはならない。
- イ・ロの方式では、いかなる場合も保証契約を締結する必要はない。
- 保管口座の通帳と印鑑は、管理の効率化のため、管理業者がまとめて保管することが望ましいとされる。
こたえを見る
正解: 2. 管理業者は、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑や預貯金の引出用のカードなどを、原則として保管してはならない。
正解は2。管理業者は、保管口座や収納・保管口座の印鑑等を原則として保管できません(管理者等が置かれていない場合の短い期間などの例外があります)。1は分別管理の趣旨に反するため誤り。3はイ・ロの方式では原則として1か月分の修繕積立金等の合計額以上の額につき保証契約が必要なため誤り。4は管理業者が印鑑等を保管することは原則として禁じられているため誤りです。