大規模修繕を計画するには、まず建物の劣化状況を正しく把握することが欠かせません。診断の進め方を見ていきましょう。診断の精度が、その後の修繕計画の質を左右します。
先生、大規模修繕の前には、建物の劣化状況を調べる診断が行われますよね。
そうよ。劣化診断は、大きく一次診断と二次診断の段階に分けて進めることが多いの。
一次と二次って、どう違うの?
一次診断は目視や打診など、比較的簡易な方法で建物全体のおおまかな劣化状況をつかむ調査よ。
そこで気になる箇所が見つかったら、より詳しい二次診断に進むの。
うぅ〜ん、一次診断は健康診断で、二次診断は精密検査、みたいな感じなのぉ?
いい例えね。
二次診断では、コンクリートの一部を採取するコア抜きや、非破壊検査と呼ばれる、構造物を壊さずに内部の状態を調べる方法なども使われるのよ。
反発硬度法(シュミットハンマー)によるコンクリート強度の推定や、赤外線調査法によるタイルの浮きの確認などがその例ですね。
よっしゃ、要は最初に全体をパッと見て、怪しいところだけじっくり調べる、って流れなんだね!
試合前のコートチェックと似てるかも!
そのとおり。
段階を踏んだ診断で、必要な修繕の範囲や時期を見極めていくのよ。
確認クイズ
劣化診断・調査診断に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 一次診断は、コア抜きなど専門的な精密調査のみを指す。
- 二次診断では、反発硬度法や赤外線調査法などの非破壊検査が用いられることがある。
- 劣化診断では、常に二次診断から着手し、一次診断は行われない。
- 非破壊検査とは、構造物を壊して内部を確認する検査方法をいう。
こたえを見る
正解: 2. 二次診断では、反発硬度法や赤外線調査法などの非破壊検査が用いられることがある。
正解は2。二次診断では反発硬度法(シュミットハンマー)や赤外線調査法などの非破壊検査が用いられることがあります。1は一次診断は目視・打診など簡易な調査を指すため誤り。3は通常まず簡易な一次診断を行い、必要に応じて二次診断に進むため誤り。4は非破壊検査は構造物を壊さずに内部を調べる検査方法なので誤りです。診断結果を長期修繕計画へ適切に反映させることが、計画的な修繕の実現につながります。診断結果を正しく読み解く力は、管理組合の意思決定を支える重要な視点です。