約束が守られないとき、法律はどう対応するのか。債務不履行の3つの類型を見ていきます。
先生、工事業者さんが『来月までに直します』って言ったのに全然来ないんだけど、これって法律的に何になるの?
それは履行遅滞ね。
履行が可能なのに、期限を過ぎても履行しない状態のことよ。
うぅ〜ん、じゃあ、そもそも直せなくなっちゃった場合はどうなるのぉ?
それは履行不能。
契約その他の債務の発生原因や取引上の社会通念に照らして、履行が不可能になった状態のことね。
先生、では債権者側に問題がある場合もあるのですか?
あるわよ。受領遅滞といって、債務者がきちんと履行しようとしているのに、債権者が受け取りを拒んだり、受け取れない状態にあることを指すの。
よっしゃ、遅れる・できなくなる・受け取らない、この3パターンってことだね!
つまり損害賠償を請求するには、原則として債務者に帰責事由、つまり責められるべき理由が必要、という理解でよいでしょうか?
その通り。
債務者の責めに帰することができない事由による場合は、損害賠償請求は認められないの。
天災のようなどうしようもない事情まで責任を負わせるのは酷だからね。
確認クイズ
民法上の債務不履行に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 履行遅滞とは、債務の履行がおよそ不可能になった状態をいう。
- 受領遅滞とは、債務者が履行期を過ぎても履行しないことをいう。
- 損害賠償請求には、原則として債務者の帰責事由が必要である。
- 債務者に帰責事由がない場合でも、常に損害賠償責任を負う。
こたえを見る
正解: 3. 損害賠償請求には、原則として債務者の帰責事由が必要である。
正解は3。損害賠償請求には原則として債務者の帰責事由が必要です。1は履行不能の説明のため誤り。2は履行遅滞の説明のため誤り。4は帰責事由がなければ原則として責任を負わないため誤りです。