「本当はそう思っていないのに言ってしまった」契約は有効なのか。意思表示にまつわるルールを見ていきます。
先生、冗談で『この部屋10万円で売るよ!』って言っちゃったら、それって本当に成立しちゃうの?
それは心裡留保という論点ね。
表意者が真意でないと分かっていて言った意思表示は、原則として有効。
ただし相手方がそれが冗談だと知っていたか、知ることができた場合は無効になるの。
うぅ〜ん、じゃあ、みつきと誰かが示し合わせて『売ったふり』をしたらどうなるのぉ?
それは虚偽表示ね。
相手方と通じてした嘘の意思表示は無効よ。
でも、そのことを知らない善意の第三者には、無効を対抗できないの。
先生、勘違いで契約してしまった場合はどうなりますか?
それが錯誤。
重要な勘違いによる意思表示は取り消すことができるの。
ただし表意者に重大な過失があると、原則として取り消せなくなるわ。
つまり詐欺や強迫による意思表示も、同じように取り消しの対象になるのですか?
そうよ。詐欺や強迫による意思表示も取り消せる。
ただし詐欺の場合は、善意無過失の第三者には取消しを対抗できないの。
一方で強迫は、脅された側を強く保護するから、第三者にも対抗できるのよ。
確認クイズ
民法上の意思表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、善意の第三者に対しても無効を主張できる。
- 詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。
- 強迫による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。
- 心裡留保による意思表示は、相手方の善意・悪意にかかわらず常に無効である。
こたえを見る
正解: 2. 詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。
正解は2。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません。1は虚偽表示は善意の第三者には対抗できないため誤り。3は強迫による取消しはいかなる第三者にも対抗できるため誤り。4は心裡留保は原則有効であり相手方が悪意・有過失の場合のみ無効となるため誤りです。