意思表示 ― 心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫

「本当はそう思っていない」意思表示は有効なのか。5つの類型と第三者保護の違いを見ていきます。

「本当はそう思っていないのに言ってしまった」契約は有効なのか。意思表示にまつわるルールを見ていきます。

日向 まどか(びっくり) 日向 まどか

先生、冗談で『この部屋10万円で売るよ!』って言っちゃったら、それって本当に成立しちゃうの?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

それは心裡留保という論点ね。
表意者が真意でないと分かっていて言った意思表示は、原則として有効。
ただし相手方がそれが冗談だと知っていたか、知ることができた場合は無効になるの。

白石 みつき(普段) 白石 みつき

うぅ〜ん、じゃあ、みつきと誰かが示し合わせて『売ったふり』をしたらどうなるのぉ?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

それは虚偽表示ね。
相手方と通じてした嘘の意思表示は無効よ。
でも、そのことを知らない善意の第三者には、無効を対抗できないの。

相良 紗英(普段) 相良 紗英

先生、勘違いで契約してしまった場合はどうなりますか?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

それが錯誤。
重要な勘違いによる意思表示は取り消すことができるの。
ただし表意者に重大な過失があると、原則として取り消せなくなるわ。

相良 紗英(普段) 相良 紗英

つまり詐欺や強迫による意思表示も、同じように取り消しの対象になるのですか?

黒瀬 志保 先生(笑顔) 黒瀬 志保 先生

そうよ。詐欺や強迫による意思表示も取り消せる。
ただし詐欺の場合は、善意無過失の第三者には取消しを対抗できないの。
一方で強迫は、脅された側を強く保護するから、第三者にも対抗できるのよ。

確認クイズ

民法上の意思表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、善意の第三者に対しても無効を主張できる。
  2. 詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。
  3. 強迫による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。
  4. 心裡留保による意思表示は、相手方の善意・悪意にかかわらず常に無効である。
こたえを見る

正解: 2. 詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。

正解は2。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません。1は虚偽表示は善意の第三者には対抗できないため誤り。3は強迫による取消しはいかなる第三者にも対抗できるため誤り。4は心裡留保は原則有効であり相手方が悪意・有過失の場合のみ無効となるため誤りです。

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