大きな災害でマンションが大きな被害を受けたとき、再建や売却の決議の要件を軽くして、早い復興を助ける特別な法律があります。
先生ぇ、もし大きな地震でマンションが全部壊れちゃったら、区分所有法の建替え決議とかできなくなっちゃうのぉ…?
いいところに気づいたわね。
建物が全部滅失してしまうと、区分所有関係自体がなくなって、敷地を共有する関係だけが残るの。
大きな災害のときに、その後の決議の要件を軽くしてくれるのが被災マンション法、正式には被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法よ。
全部滅失してしまった場合、その後の敷地はどうなるのですか?
建物が滅失すると、敷地共有者等の集会で、再建決議や敷地売却決議をすることができるの。
2026年4月施行の改正で、この集会と決議は区分所有法に置かれて、原則は議決権の5分の4以上になったわ。
そして、政令で指定される大規模な災害の場合は、被災マンション法によって、議決権の3分の2以上に下がるのよ。
えーっ、区分所有者じゃなくて『敷地共有者』なの?
そうなの。
建物がなくなった時点で区分所有関係も終わってしまうから、残った敷地の共有者としての集会になるのよ。
では、建物の一部だけが滅失した、いわゆる大規模一部滅失の場合はどうなりますか?
その場合は区分所有関係は残っているから、区分所有法の建替え、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しの各決議をすることになるの。
政令で指定された災害なら、これらの決議も、原則の5分の4より軽い各3分の2以上でできるのよ。
先生、この特例には期間の制限もあるのですか?
あるわ。
特例が使えるのは、政令の施行の日から6年を超えない範囲で、政令が定める期間だけよ。
確認クイズ
被災マンション法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 被災マンション法は、政令による災害の指定がなくても、すべての災害に適用される。
- 政令で指定された災害で建物の全部が滅失した場合、敷地共有者等は、期間の制限なく、いつでも特例による再建決議をすることができる。
- 政令で指定された災害で建物の全部が滅失した場合の再建決議は、敷地共有者等の議決権の3分の2以上の多数ですることができる。
- 政令で指定された災害で大規模一部滅失をした場合でも、建物敷地売却決議には各5分の4以上の多数を要する。
こたえを見る
正解: 3. 政令で指定された災害で建物の全部が滅失した場合の再建決議は、敷地共有者等の議決権の3分の2以上の多数ですることができる。
正解は3。政令で指定された災害で全部滅失した場合、再建決議・敷地売却決議は議決権の3分の2以上でできます(区分所有法の原則は5分の4以上)。1は政令で指定された災害が対象のため誤り。2は政令の施行の日から6年を超えない範囲で政令が定める期間に限られるため誤り。4は大規模一部滅失の場合の建物敷地売却決議なども各3分の2以上に下がるため誤りです。