不法行為と工作物責任 ― 外壁が落下したら誰の責任?

土地工作物の瑕疵による損害について、占有者の過失責任と所有者の無過失責任の違いを整理します。

マンションの外壁が落下してケガ人が出た ― そんなとき、誰が責任を負うのでしょうか。工作物責任を中心に見ていきます。

日向 まどか(びっくり) 日向 まどか

先生、もしマンションの外壁が剥がれ落ちて、下を歩いてた人にケガをさせちゃったら、誰の責任になるの?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

それは工作物責任という論点ね。
土地の工作物の設置または保存に瑕疵があって他人に損害が生じたときは、まずその工作物の占有者が損害賠償責任を負うの。

白石 みつき(普段) 白石 みつき

うぅ〜ん、占有者さんって、賃貸で住んでる人とかも入るのぉ?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

そうよ。
マンションでいえば管理を行っている管理組合や管理者が占有者にあたることが多いわね。
ただし占有者は、損害の発生を防止するために必要な注意をしていれば、責任を免れることができるの。

相良 紗英(普段) 相良 紗英

占有者が免責される場合、被害者は泣き寝入りするしかないのですか?

黒瀬 志保 先生(笑顔) 黒瀬 志保 先生

いいえ、そこが工作物責任の重要なところ。
占有者が必要な注意をしていたことを証明できたときは、代わりに所有者が損害賠償責任を負うの。
しかも所有者の責任は無過失責任、つまり注意していたかどうかに関係なく責任を負うのよ。

日向 まどか(びっくり) 日向 まどか

えーっ、所有者は言い訳できないってこと?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

その通り。
占有者は過失責任で免責のチャンスがあるけれど、所有者には免責がないの。
工作物の危険を最終的に引き受けるのは所有者、という考え方ね。

確認クイズ

民法上の工作物責任に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 工作物の占有者は、必要な注意をしていた場合でも常に責任を免れない。
  2. 工作物の所有者は、必要な注意をしていたことを証明すれば責任を免れる。
  3. 占有者が損害防止に必要な注意をしていたときは、所有者が損害賠償責任を負う。
  4. 工作物責任は、占有者にも所有者にも一切生じない。
こたえを見る

正解: 3. 占有者が損害防止に必要な注意をしていたときは、所有者が損害賠償責任を負う。

正解は3。占有者が免責される場合、所有者が無過失責任を負います。1は占有者は必要な注意をしていれば免責されるため誤り。2は所有者の責任は無過失責任であり注意していても免責されないため誤り。4は工作物責任は生じ得るため誤りです。

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。