「一票」は、実は頭数どおりではありません。議決権の考え方と議事の進め方を確認しましょう。
先生、総会の投票って、一人一票じゃないの?
あたしの実家は3人家族だから3票とか?
ふふっ、面白い発想ね。
でも議決権は世帯人数ではなく、規約に別段の定めがない限り、共用部分の持分割合、つまり専有部分の床面積の割合によるの。
うぅ〜ん、じゃあ大きいお部屋に住んでる人の方が、発言力が強いのぉ?
議決権の数としてはそうなるわね。
だから床面積の大きい住戸ほど、議決権も大きくなる仕組みなのよ。
先生、質問があります。
総会に出席できない場合はどうすればよいのですか?
いい質問ね。書面によって議決権を行使したり、代理人によって行使したりすることが認められているの。
規約や集会の決議によっては、電磁的方法での行使もできるのよ。
こうして議決権を行使した人は、出席者として数えるわ。
よっしゃ、部屋の広さで一票の重みが変わって、出られないときは書面か代理人!
…まどかちゃん、まとめ方が少し雑ですが、大筋は合っています。
確認クイズ
区分所有法における議決権に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 議決権は、規約に別段の定めがない限り、区分所有者一人につき一個である。
- 議決権は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合による。
- 議決権は、集会に出席しない限り、行使することができない。
- 議決権を書面によって行使することは、いかなる場合も認められない。
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正解: 2. 議決権は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合による。
正解は2。議決権は原則として専有部分の床面積割合によります。1は頭数一個ではないため誤り。3は書面や代理人によって出席せずに行使できるため誤り。4は書面による行使が認められているため誤りです。
2026年4月の改正で加わった決まり ― 所在等不明区分所有者と国内管理人
連絡のつかない区分所有者がいると、決議に必要な賛成が集まりにくくなります。2026年4月施行の改正で、これに備える2つのしくみができました。
先生、持ち主がどこにいるのか分からない部屋があったら、決議のときはどう数えるの?
そこで使えるのが、所在等不明区分所有者を決議の母数から外すしくみよ。
ほかの区分所有者か管理者が裁判所に請求して、裁判所が認めると、その人は集会の議決権を持たなくなるの。
つまり、建替え決議のように区分所有者の全員を母数にする決議でも、その人は母数から除かれる、という理解で合っていますか?
合っているわ。
すべての決議の母数から外れるの。
区分所有法38条の2よ。
うぅ〜ん、海外にお引っ越ししちゃった人とは、連絡がとりにくそうなのぉ…
そのための制度もできたの。
国内に住所や居所がない区分所有者は、国内に住む人を国内管理人に選べるのよ。
国内管理人は、保存行為、集会の招集通知の受領、議決権の行使、管理費などの支払いができるわ。
先生、国内管理人の選任は義務なのですか?
法律では「選任することができる」という任意の制度よ。
ただ、規約で選任を義務づけることもできるの。
選んだときは、遅滞なく管理者に知らせるわ。
よっしゃ、行方が分からない人は裁判所の裁判で母数から外す、海外の人には国内管理人!
確認クイズ
2026年4月施行の改正区分所有法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 所在等不明区分所有者を決議の母数から外すには、集会の普通決議があれば足り、裁判所の関与は要らない。
- 裁判所の裁判により所在等不明区分所有者とされた者は、集会における議決権を有しない。
- 国内に住所のない区分所有者は、法律上、必ず国内管理人を選任しなければならない。
- 国内管理人は、集会の招集通知を受け取ることはできるが、議決権を行使することはできない。
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正解: 2. 裁判所の裁判により所在等不明区分所有者とされた者は、集会における議決権を有しない。
正解は2。裁判所の裁判で所在等不明区分所有者とされた者は議決権を持たず、すべての決議の母数から除かれます(38条の2)。1は裁判所の裁判が必要なため誤り。3は法律上は「選任することができる」という任意の制度であるため誤り(規約で義務づけることはできます)。4は議決権の行使も国内管理人の権限であるため誤りです(6条の2)。