滞納管理費の債権にも消滅時効があり、また区分所有権が売買されると新しい所有者への請求も問題になります。回収手段とあわせて理解しておきたい論点です。
先生、滞納管理費はいつまでも請求できるものなのでしょうか?
何年も前の滞納でも同じように請求できるのか気になります。
いいえ、実はそうではないの。
管理費・修繕積立金の債権も、民法の一般原則に従って消滅時効にかかるのよ。
支払期日が到来してから5年たつと、時効で消滅してしまう可能性があるの。
えーっ!
5年も待ってたら、払わなくてよくなっちゃうの?
なんだか滞納者が得しちゃう気がする!
そのままにしておけばね。
でも時効には時効の更新という仕組みがあって、一定の事由があると、それまで進んだ期間がリセットされるの。
どんな時にリセットされるのぉ?
管理組合が何かしないといけないのぉ?
代表的なのは、滞納者本人が「滞納を認めます」と承認した場合や、管理組合が訴えを提起するなど、裁判上の請求をした場合よ。
ただ待っているだけでは時効はリセットされないの。
なるほど。
督促状を送っただけでは時効は更新されず、あくまで承認や裁判上の請求といった強い事由が必要、ということですね。
そのとおりよ、よく気づいたわね。
それともう一つ大事な論点があって、滞納している区分所有者が住戸を売却した場合、新しい所有者、つまり特定承継人にも、前の所有者の滞納分を請求できるの。
区分所有法8条の規定よ。
よっしゃ、要は「時効は放っておくと危ない」「滞納は住戸を売っても消えない」ってことだね!
確認クイズ
滞納管理費の消滅時効・特定承継人への請求に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 滞納管理費の債権は、時効によって消滅することはない。
- 滞納者が滞納を認める旨の承認をした場合、それまで進行した時効期間は更新される。
- 滞納中の住戸が売却された場合、新しい所有者にはいかなる場合も滞納分を請求できない。
- 内容証明郵便による督促状の送付は、それだけで時効を更新する効果を持つ。
こたえを見る
正解: 2. 滞納者が滞納を認める旨の承認をした場合、それまで進行した時効期間は更新される。
正解は2。滞納者による承認は時効の更新事由となり、それまで進行した時効期間はリセットされる。1は管理費債権も消滅時効にかかるため誤り。3は区分所有法8条により特定承継人にも滞納分を請求できるため誤り。4は督促状の送付のみでは時効は更新されず、完成猶予にとどまるため誤り。