管理組合の会計帳簿は、区分所有者から預かった大切な管理費・修繕積立金の流れを記録するものです。企業の会計を参考にしつつ、管理組合ならではのルールもあります。今日はその基本となる考え方から確認しましょう。
先生、うちのマンションの会計報告書、見てもよく分かんないんだけど…そもそも会社の会計と同じなの?
毎年配られる紙、正直あんまりちゃんと見てなかったよ。
いいところに気づいたわね。
管理組合の会計は企業会計原則を参考にしているの。
でも、営利を目的とする会社と違って、管理組合は組合員から集めたお金を適正に管理するための団体だから、独自の違いもあるのよ。
つまり、企業のように利益を追求する会計ではなく、集めたお金を目的どおりに使ったかどうかを明らかにするための会計、という理解で合っていますか?
その通り。
そして一番の基本になるのが発生主義という考え方。
現金が実際に動いたタイミングではなく、収入や支出という事実が発生した時点で記録する、というルールなの。
あっ、それって…わたしのお店だと、和菓子の注文を12月に受けて、お代を受け取るのは年明けになっても、注文があった時点で帳簿につける、みたいな感じなのぉ?
ふふっ、みつきちゃんいい例えね。
まさにそのとおり。
現金の入出金だけを記録する現金主義とは違って、発生主義なら「いつの分の収入・支出か」が正確に分かるの。
うぅ…でも現金が動いた時にそのまま記録する方が、シンプルで分かりやすくない?
なんでわざわざ発生主義にするの?
現金主義だと、今月分の管理費が未納でも「今月は収入なし」としか帳簿に見えないでしょう?
発生主義なら「本来いくら入るはずだったか」まで帳簿に残るから、滞納の実態や、将来の資金繰りの見通しまで把握できるの。
よっしゃ、要は「約束された分もちゃんと記録して、後で誰が払っていないかも分かるようにする」ってことだね!
確認クイズ
管理組合会計の基本原則に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 管理組合会計は、現金の入出金があった時点でのみ収入・支出を記録する現金主義を採用する。
- 管理組合会計は、収入・支出が発生した事実に基づいて計上する発生主義を基本とする。
- 管理組合は営利法人であるため、企業会計原則がそのまま適用される。
- 発生主義を採用すると、未収金や前受金という勘定科目は不要になる。
こたえを見る
正解: 2. 管理組合会計は、収入・支出が発生した事実に基づいて計上する発生主義を基本とする。
正解は2。管理組合会計は発生主義を基本とする。1は現金の動きだけを記録する現金主義の説明であり誤り。3は管理組合は営利法人ではなく、企業会計原則を参考にしつつ管理組合独自のルールも持つため誤り。4は発生主義だからこそ未収金・前受金という科目が必要になるのであり、不要になるわけではないため誤り。