管理組合には日常の管理に使う管理費と、将来の大規模修繕に備える修繕積立金があります。この二つを混ぜずに管理するのが区分経理という考え方です。なぜ分ける必要があるのか、具体例で見ていきましょう。
先生ぇ、うちのお店だと、毎日の仕入れのお財布と、お店を建て替える時のための貯金箱、ちゃんと分けてるのぉ。
管理組合も同じなのかなぁ?
まさにそれよ、みつきちゃん。
管理組合も管理費と修繕積立金を別々の口座・帳簿で管理する、区分経理という考え方をとっているの。
補足すると、標準管理規約でも管理費会計と修繕積立金会計は区分して経理すべきとされていますよね。
区分ごとに勘定を分けて集計する、という理解でよいでしょうか。
そうなの。
日常のエレベーター点検や清掃費用は管理費会計から、外壁の大規模修繕のような数百万円単位の工事費は修繕積立金会計から支出するの。
使う目的によって、そもそもお財布そのものを分けているのよ。
えーっ、じゃあ管理費のお財布にお金が足りなくなったら、修繕積立金からちょっと借りてもいいんじゃないの?
隣の財布からちょっとだけなら平気そうだけど。
気持ちは分かるけど、それは原則NGよ。
修繕積立金は本来、将来の大規模修繕という目的のために組合員が長い年月をかけて積み立てたお金だから、目的外に流用してしまうと本来の工事ができなくなる恐れがあるの。
先生、質問があります。
理事会の判断だけで一時的に流用することはできないんですか?
緊急事態でも駄目なのでしょうか。
原則として総会の決議など厳格な手続きが必要よ。
むやみな流用は組合員全員の財産を危うくするから、区分経理はそれを防ぐための仕組みなの。
理事会だけで自由に動かせないようにしているのよ。
あたし、わかった気がする!
「日常のお財布」と「将来のための貯金箱」を絶対に混ぜないってことだね!
確認クイズ
管理組合の区分経理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 区分経理とは、管理費会計と修繕積立金会計を一つの口座にまとめて管理することをいう。
- 修繕積立金は、理事長の判断のみでいつでも管理費会計に流用してよい。
- 区分経理は、管理費会計と修繕積立金会計を分けて経理し、目的外使用を防ぐための仕組みである。
- 管理費会計と修繕積立金会計を分けて経理することは、標準管理規約上求められていない。
こたえを見る
正解: 3. 区分経理は、管理費会計と修繕積立金会計を分けて経理し、目的外使用を防ぐための仕組みである。
正解は3。区分経理は管理費会計と修繕積立金会計を分け、それぞれの目的外使用を防ぐ仕組みである。1は一つにまとめるのではなく分けることこそが区分経理の趣旨なので誤り。2は流用は原則禁止で理事長の判断のみでは行えないため誤り。4は標準管理規約でも区分経理が求められているため誤り。