専有部分と共用部分の境界がどこにあるかは、リフォームやトラブル対応で必ず問われる基本知識です。標準管理規約の考え方を確認しましょう。
先生ぇ、この前壁紙を貼り替えようとしたら、業者さんに「躯体には触れません」って言われたのぉ。
躯体ってなんなの?
躯体というのは、コンクリートでできた建物の骨組み部分のことよ。
標準管理規約は上塗り説という考え方をとっていて、躯体そのものは共用部分とされているの。
つまり、天井・床・壁について、コンクリートの構造部分は共用部分で、その内側の仕上げ材(上塗り部分)から室内側が専有部分、という理解で合っていますか?
完璧よ、紗英。
だからみつきちゃんの壁紙は専有部分の範囲内のリフォームだけど、コンクリートを削るような工事は共用部分に手を出すことになるの。
えーっ、じゃあ玄関のドアも同じ考え方?
あれ、自分の家の顔なのに。
玄関扉は少し特殊で、錠(かぎ)の部分と、内側の塗装部分だけが専有部分。
扉本体や外側の色は共用部分だから、勝手に色を変えたりはできないのよ。
むむむ…じゃあ窓ガラスや窓枠も、専有部分じゃないのぉ?
その通り。
窓枠や窓ガラスも共用部分よ。
マンションの外観の統一性に関わるものは、原則として共用部分と考えるとわかりやすいわね。
よっしゃ、要は「見た目や骨組みはみんなの物、内側の仕上げは自分の物」って覚えればいいんだね!
補足すると、この考え方は専有部分をどこまで広く認めるかという境界の問題であって、専用使用権のような「誰が使えるか」というルールとは別の話ですね。
その通り。
次の記事では、共用部分でありながら特定の人だけが使える専用使用権について、もう少し詳しく見ていきましょうね。
確認クイズ
標準管理規約における専有部分の範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 天井・床・壁は、躯体部分を含めてすべて専有部分である。
- 玄関扉は、錠及び内部の塗装部分を除き、共用部分である。
- 上塗り説によれば、天井・床・壁の躯体(構造)部分も専有部分に含まれる。
- 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれる。
こたえを見る
正解: 2. 玄関扉は、錠及び内部の塗装部分を除き、共用部分である。
正解は2。玄関扉は錠と内部の塗装部分のみが専有部分で、それ以外(扉本体や外部塗装等)は共用部分です。1は躯体部分は共用部分なので誤り。3は上塗り説では躯体部分は共用部分とされるため誤り。4は窓枠・窓ガラスは共用部分なので誤りです。